河川生態系

提供: 河川生態ナレッジデータベース

Category:河川用語集

 生態系は、そこに生息する生物群集と、それを支える非生物的要素から成っている。多様な環境が存在することで、多様な生物の生息が可能となるため、河川の中に本来ある環境の集合(環境区分)を保全することが重要になる。河川水辺の国勢調査環境区分として分類する環境は、広義の景観ともいうべきものであり、一般的には多様な景観保全することで、良好な生態系が維持されると考えられる。

 生態系を捉える視点として、典型性や上位性という概念があり、環境影響評価においても、これらの概念が導入されている。

 典型性とは、その場所(景観)においては良くみられるが、他の場所(景観)ではあまりみられない性質(生物)を指している。河川生態系の典型性としては、大きな視点で見ると、たとえばヤナギに代表される河畔の植物の存在が挙げられる。個別河川生態系保全を考える上では、絶滅危惧種等特別な保全のみではなく当該河川の典型的なや、これらにより構成される典型的な生態系保全を目指す必要がある。

 上位性とは、一連の生態系を構成する生物間の被食捕食関係(食物連鎖)をみた場合に、食物連鎖の頂点に立つ性質を示している。このため、猛禽類や、大型ほ乳類が上位性を表すとなる場合が多い。上位性を有するが持続的に生息しうる環境は、健全性も高いと考えられるため、上位性の生息環境を評価して、食物連鎖からみた生態系構造を推定し、生態系全体の保全に役立てることが考えられる。

 河川環境保全に際しては、河川に生育・生息する生物を生態系という視点で捉えて、生態系全体としての保全を行うという考え方が必要である。

出典:国土交通省水管理・国土保全局(2012)河川防技術基準調査編,平成24年6月版



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