ブルーギル

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真


分布・形態

分布

  • 原産地は北アメリカ中東部一帯で、日本には1960年に移入された。現在は各地の湖やため池に分布している。

形態

  • 全長約250mm。腹鰭が胸鰭の真下につき、鰓ぶたに棘がなく尾鰭後縁がわずかに切れ込むのがサンフィッシュ科の特徴である。

類似

  • サンフィッシュ科にはブルーギル以外にオオクチバス、コクチバスがいる。また、カワスズメ科のテラピア類に似ている。
  • ブルーギルは鰓ぶた上後端に黒色の突起があるので、オオクチバス、コクチバスと区別できる(「オオクチバス」の項目参照)。テラピアについては、「モザンビークテラビア」の項目を参照。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:400_burugiru.JPG

生息場所

  • 湖の沿岸部や池沼にすみ、大きな河川下流域や汽水域にも入る。
  • 未成魚および成魚は湖の沿岸や、湖沼、河川の水草帯に生息する。未成魚は十数尾の群れをつくり、ほとんど動かずに水面付近に浮かんでいることが多い。
  • 年間を通じて水草付近で生活し、大きな移動は行わない。仔魚は孵化後2日で産卵床を離れ、1週間あまり巣の周辺で雄の保護を受けた後、巣を離れ、水草の中を群泳する。稚魚は群れで表層を泳ぐ。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:西日本での産卵期は6~7月。
  • 産卵場所:湖沼の沿岸底。
  • 産卵床:雄が作る直径40~60cm程度のすり鉢状の穴。
  • 卵:球形で直径0.9~1.0mm。卵膜には粘着性がある。中央部に油球があり、卵黄には粒状構造がある。
  • 産卵数:数尾の雌の卵を合わせて1産卵床に5000~22万5000粒が産着される。
  • 孵化日数:3~5日で孵化する。
  • 婚姻色:生殖期の雄は腹部が鮮やかな赤レンガ色になる。
  • 産卵行動:雄は水底を掃除して、産卵床を作り、成熟した雌を産卵床に導いて産卵させる。雌は数回、別の雄、または同じ雄の産卵床に産卵する。
  • 保護行動:孵化までの期間、および孵化後約1週間、全長約30mmに成長するまで雄が保護する。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  • 雑食性で、成長段階、季節的餌料量の変動に合わせて摂餌する。琵琶湖では仔稚魚はケンミジンコ幼生をまず餌にする。その後、ユスリカ幼虫を食べるようになる。未成魚になるとスジエビ、ヌマエビ等のエビ類を食べるようになる。成魚も同様で、ときには他の魚類の魚卵や仔稚魚も食べる。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  • 縄張り行動:成魚は産卵期に強い縄張り行動を示し、人の指ですら攻撃をしかける。
  • 琵琶湖での他魚類への影響:オイカワモツゴなどの魚類の産卵中に近づき、卵を食べるので影響は大きいとされる。実際、オオクチバスもブルーギル定着後減少している。しかし、琵琶湖では仔稚魚期のケンミジンコ、ユスリカ、未成魚・成魚期のエビ類とも他魚と競合しない餌をとっており、餌の隙間を埋めたかたちとなっている。
  • オオクチバスとの関係:オオクチバスは魚食性が強いため、雑食性のブルーギルが食性の面で有利になっている。また、産卵床もブルーギルの方が沿岸の浅に、隙間なく作るので、この面でも有利になっている。
  • 水草との関係:沿岸の水草帯はブルーギルにとって好適な環境であり、特に琵琶湖のオオカナダモは隠れ場と同時に、餌としてのエビ類を供給している。
  • ブルーギル繁栄の理由:餌生物の量に合わせて、また他魚と競合しないように、柔軟に食性を変化させることができ、また、親による仔魚保護行動によって、初期減耗を防いでいることが繁栄の理由と考えられる。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 在来魚類相の保護のためには、外来の雑食性魚類を放流しないように、罰則規定まで含めて、措置を講じる必要がある。すでに一部の地方自治体では(内水面)漁業調整規則で放流を禁じている。特に止水域の場合には在来の魚への影響が大きい。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • 利用:肉は淡白で美味である。塩焼きのような和風の料理よりも、フライ、ムニエルといった洋風の料理が向いている。
  • 釣り:ルアー釣りで、またはミミズ、タニシなどの餌でも釣ることができる。
  • 名前の由来:鰓ぶたにある青黒色斑点が名前の由来である。フランス語では「道化役者」とよばれる。
  • 移殖の経過:1960年にシカゴのシェッド水族館から伊豆半島の一碧湖に放流されたという説と、同年アイオワ州を流れるミシシッピー川沿いのグッテンベルグの町で捕れた17尾が10月に入ったとする説の2つがある。
  • 鑑賞:水槽内で雌雄のつがいを飼い、産卵生態を観察できる。

  (2011.2.1._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

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