パイオニア種

提供: 河川生態ナレッジデータベース

Category:河川用語集

 先駆植物遷移の初期段階において最初に出現する植物のこと。火山の噴火、洪水、火災、地滑りなど自然に発生する撹乱や、森林伐採、開発などの人為的活動によって裸地化した場所にいち早く侵入・定着をはたし、繁殖にまで至ることができる。

 遷移の始まる場所の基質やその他の環境により先駆植物類や生活型は異なり、それぞれの環境に適応したものが侵入する。二次遷移では、森林伐採地や休耕地などに一年生草本が先駆植物として侵入することが多く、これらの中には雑草や外来種がしばしば含まれる。森林では撹乱により林冠ギャップが生じると、特定の樹のグループが先駆植物として侵入することが多い。これらは先駆樹ともよばれ、温帯ではカンバ類やヤナギ類、ハンノキ類が代表的である。二次遷移における先駆植物によくみられる特徴としては、比較的小さな繁殖体(子)を多数生産し、子には冠毛や翼などの長距離分散に適した器官をもつものが多い。また、分散能力に劣る子でも長く休眠することで土壌バンクを形成して撹乱を待機し、裸地の形成を契機に発芽して定着をはたすものも多い。発芽後の成長速度は速く、寿命は比較的短い傾向にある。強光利用型の植物が多く、弱光条件化での生育は著しく阻害される。したがって、同、他に関わらず、すでに植生に被覆された場所では、新規個体が定着しにくい。このため、遷移初期に同同齢の個体群を形成した後は、遷移の進行に伴い群落内における優占度は次第に低下する。

出典:巌佐庸・松本忠夫・菊喜八郎・日本生態学会 編(2003)生態学事典, 共立出版

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