ドジョウ

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真


分布・形態

分布

  • ほぼ日本全国に分布するが、北海道と琉球列島のものは天然分布ではない可能性がある。国外では中国大陸中部、台湾島、朝鮮半島に分布する。

形態

  • 雄は約120mm、雌は約180mm。体は細長く筒型をしている。10本の口ひげを持つ。体背側部に不明瞭な斑紋を持つことがある。腹面は淡色で斑紋がない。鱗はきわめて細かい。体表は粘液質に富んでいる。ふつう、雌の方が大型。

類似

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:358_dojo.JPG

生息場所

  • 河川中流域から下流域にかけて、またこれにつながる用水路、水田、湿地などに生息する。
  • 成魚は底上を泳ぎ回り、あるいは底に潜って生活する。夏の晴天時は日陰に集まり、曇天時は底上で摂食し、雨天には活発に泳ぎ回る傾向が強い。
  • 主に夜間に活動するが、産卵期には昼間も活動し、餌をとる。定着性が強く、広い年周移動は行わない。

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:4月下旬から6月下旬まで、ときには8月まで延びる。
  • 産卵場所:水田、側溝、岸辺の浅いところ。
  • 産卵床:細流の水草の間、水田の刈り株、水田の上。水生植物との関係が深い。
  • 産卵行動:雄は雌の来るのを水底で待ち、1尾の雌に数尾の雄が口で吸いつき、雌の腹部を巻いて締めつける。産卵行動は雨上がりの早朝に多く、2~3回続けて行われる。夜間に行われるという説もある。
  • 卵:球形で直径は1.1~1.5mm。5000~3万粒の卵を持つ。
  • 孵化日数:水温30℃では約20時間、水温20℃では約54時間で孵化する。
  • 二次性徴:体は雌がやや大きく、胸鰭は雄が大きい。生殖期には雄の背鰭基底の、前後の背に2対のこぶができ、雌には腹鰭の上方に1対のくぼみができる。

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  • 後期仔魚底で底生藻類と小型の半底生浮游動物を摂餌する。体長21mm以下の稚魚は小甲殻類、およそ50~70mmでは甲殻類のほか、イトミミズも摂餌するようになる。およそ70~89mmでは動物以外に珪藻植物の茎・根・子などを雑食する。90mm以上では動物餌料が減る。
  • なお、ドジョウは梅雨時に、水田や用水路を含む一時的にできる水たまりに侵入して産卵までの期間を過ごすが、このような水たまりは土地が肥沃でプランクトンが大発生するため、稚魚の格好の餌場となる。

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 水田や河川敷の水たまりなどはドジョウの産卵場として貴重である。周年にわたって水域連続性を確保するために、川から水田、河川敷への水のアクセスに配慮することが望ましい。
  • 底に潜って冬眠するため、底の場を確保する必要がある。水田の側溝のコンクリート化や三面張りは避けるようにする。
  • 圃場整備に伴う用水路の改修などにも影響を受けやすいので、十分な配慮が必要である。

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • 腸呼吸:ドジョウは生息水域の溶存酸素量が減少すると、水面まで上がって空気を飲み込み、反転して腸から酸素を吸収し、残りのガスを肛門から排出する腸呼吸を行う。
  • 冬眠:冬には頭部から中に潜入して冬眠する。1尾ずつが個別に潜入するが、乾燥した場所では多数が塊状となり、土中の水分と体表から分泌される粘液で体の乾燥を防ぐ。冬眠時の密度は土の厚さに比例する。中への潜入深度は5~20cmであるが、体長の大きいものほど深い。
  • 突然変異:ヒドジョウとよばれる突然変異の黄化個体(アルビノ)は、観賞用となっている。

  (2011.1.28._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

表示
個人用ツール
河川用語解説
河川事業事例アーカイブ・
  調査データ
検索機能について