スナヤツメ

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生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真

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(写真提供:いであ㈱)

分布・形態

分布

  • 北海道、三浦・伊豆半島を除く本州、四国全域、鹿児島県、宮崎県を除く九州に分布する。
  • 国外では沿海州、中国北部、朝鮮半島に分布する。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


形態

  • 全長約200mm。幼生はアンモシーテスとよばれ、吸盤がなく、眼は皮膚の下に隠れる。140~190mmで変態する。
  • 成魚の口器は吸盤状で内側に3対の歯がある。眼も体に現われ、体は130~160mmに収縮する。
  • 幼生・成魚とも頭部に7対の鰓穴がある。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


類似

  • 同じ科にカワヤツメ、シベリアヤツメ、ミツバヤツメがいる。カワヤツメ(寄生性)は全長500mm以上。成魚は口器の内側の歯が3対で、尾鰭に黒色部があり、口器で他魚に寄生する。降海性で分布は北日本に偏る。
  • シベリアヤツメ(非寄生性)は全長200mm未満。内側の唇歯は3対で、尾鰭に黒色部がある。陸封型で北海道のみに分布する。
  • ミツバヤツメ(ユウフツヤツメ、寄生性)は内側の唇歯が4対。降海型で、分布は北日本の一部にわずかに記録があるだけである。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:sunayatsume_lifeCycle.gif

生息場所

  • 幼生・成魚とも、水の澄んだ流れの緩やかな浅い細流に生息する。増水の影響を受けない場所で、湧水のある、底のところを好む。
  • 幼生・成魚とも、昼間はの中に潜んでほとんど移動せず、夜問に遊泳する。
  • 降海せずに、一生を淡水中で過ごすため、大規模な年周移動はない。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:本州中央部では1~3月。東北、北海道では雪解け水がおさまる5~6月。
  • 産卵場所:河川中灘或の平瀬尻。
  • 産卵床:砂礫底にくぽみを作る。
  • 卵:不透明な淡灰色で直径約1mm。
  • 孵化日数:水温19℃,約10日で孵化する。
  • 成長:45日で全長約85mmとなり、摂餌を開始する。
  • 二次特徴:成熟した雄の背鰭は丸みを帯びているが、雌では三角形である。雄には生殖突起が出現し、雌には臀鰭が出現する。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  • アンモシーテス幼生は、顎がないので、口の内側にある繊毛を動かして、底上・底中の有機物や珪藻類を濾過して食べる。成魚になると食物を食べない。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 護岸工事によって失われる河岸地形はこれらの仲間に大きな影響を与える。護岸工事の際にはなるべく低水線を固定せず、高水敷上にあるワンドやこれから流れ出る細流を保全するなどの努力が必要である。
  • 回遊を行なう類では、変態後の若魚は春に河川を湖上して産卵場に向かう。などの横断工作物には適切な魚道を設置する必要がある。
  • 生息域が中であるので、河床に地を確保しておく必要がある。そのため、河川工事においては、流れの緩やかな水域を確保し、がある程度たまるようにしておく配慮が必要である。
  • 中の落葉などの有機物を食べるため、これらの有機物がたまる尻の確保が必要である。
  • 中に生息しているため生息の確認ができず、をそのまま干上がらしてしまう恐れがあり、工事方法には十分注意する必要がある。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • 日本産ヤツメウナギ科4のうち、シベリアヤツメとミツバヤツメはレッドデータブックの希少に選定されている。
  • カワヤツメはビタミンAが豊富で、夜盲症の治療薬として珍重される。スナヤツメは釣り餌程度の利用である。山形県の日向川にはかつてカワヤツメの人工採卵の孵化場があった(木村,1973)。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

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