コイ

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真


ファイル:koi15_R.JPG
(写真提供:いであ㈱)

分布・形態

分布

  • 日本全国に分布する。古くから移殖が盛んなため、自然分布の実態は明らかではない。移殖により全世界に分布するが、自然分布はユーラシア大陸に限られる。


形態

  • 全長約600㎜。まれに1000㎜を超える。体はやや側扁した紡錘形。4本の口ひげを持つ。側線は完全。背鰭の基底は長く、第4棘状軟条は頑丈で後縁は鋸歯状。野生型は一般に体高が低く、体幅が厚い。


類似

  • フナ属とはひげがあること、体高がやや低く、腹面が平坦であることで区別できる。ニゴイとはひげが2対(ニゴイは1対)、背鰭基底が長く、尾鰭が深く切れ込まないので区別できる。

  (2010.2.19._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:koi_lifeCycle.gif

生息場所

  • 大きな川の中流域から下流域、汽水域、湖沼などに生息する。川の中流域では大型のにだけ生息し、下流域や池沼では全面に、湖では沿岸部に生息する。
  • 冬はやや深い部分に集まり、特に7℃以下に下がると、活動しなくなる。仔稚魚、は水草の多く生えた止水域などに生息する。
  • 遊泳速度は時速6㎞程度である。

  (2010.2.19._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:関東以西では4~6月、北海道・網走では7~8月で、水温18~2rCの頃に最も盛んである。フナ類より約1カ月遅い。
  • 産卵陽所:浅い池の沿岸や、水の停滞した河岸など。
  • 産卵床:ヨシ、マコモ、キンギョモなどの水面近い部分に産着させる。
  • 卵::直径1.6~2.5mの沈性粘着卵。1回に20~60万粒が産卵される。
  • 卿化日数:15℃で6日、20℃で4日、25℃で3日で艀化する。
  • 卵行動:晴れて風のない日の、日の出から正午までが最も盛んである。1尾の雌と、1尾から数尾の雄によって行なわれる。雌が水面の水草に近づき、尾鰭で水を強くたたいて乗り越える。このときに産卵され、雄も続いて同じように乗り越えて精子をかける。1産卵期に2~3回の産卵を行なう。
  • 追星:雌雄とも体全体に小型の追星を生じる。
  • 婚姻色:現れない。

  (2010.2.19._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  • 稚魚は水草の生えた止水域で、浮游動物、付着生物を食べる。稚魚期にはユスリカを食べるものが多い。
  • 成魚は底生動物上の底生付着藻類やその分解物を食べる。特に貝類を好み、臼歯状の咽頭歯で貝殻を割る。カワニナモノアラガイ、マメタニシ、シジミなどを食べる。

  (2010.2.19._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 生息暢所はや水深のある底層部であるため、河川整備によって、河床の平坦化や水深の減少が起こらないように配慮する。
  • 産卵には、平瀬周辺に生息するヨシやマコモなどの植物が必要なので、河岸の整備では、植生が回復するような方策を検討する必要がある。また、幼魚なども水草の多く生育する止水を好むため、産卵場所と同じような環境が必要となる。

  (2010.2.19._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • 漁法:梅雨の前後になると産卵のため、ヨシなどの水草の多いところに集まるのでよく釣れる。夏から秋にかけては、やや浅いところで餌をとる。秋の11月中頃には深場のかけあがりを狙って釣る。
  • 腹側の感覚が鈍いので、下腹に手を静かに回し、素早く船や陸に放り上げる漁法がある。琵琶湖では竹製のモンドリで漁獲される。内蒙古の大湖ダライノール周辺などでは、越冬のため群れるコイを、氷を割って刺網で捕らえる。
  • 利用:重要食用魚で、漁獲量はアユウグイに次いで3番目。洗い、こいこく、中華の丸揚げ(あんかけ)、飴煮にして食べる。現在では新巻まである。血液は強壮剤として利用される。
  • 一方、鑑賞魚として有名で、イロゴイ(錦鯉)には少なくとも20の色斑や鱗の形状の違う品がある。
  • 革ゴイ、鏡ゴイ:背鰭の付け根にのみ大きな鱗があるのが革ゴイ、側線にのみ大きな鱗があるのが、鏡ゴイで、これらは十字軍が持ちかえった中央アジアの鯉が、ヨーロッパで突然変異を起こし、さらにドイツで品改良されたものといわれている。日本にもドイツ鯉として移殖されたが、一部のイロゴイを除いて日本人には評判が芳しくない。
  • 水槽飼育:水温20~28℃で最もよく餌を食べる。30℃以上になると、食欲がなくなる。10℃以下で越冬に入るが、越冬中も餌を食べる。

  (2010.2.19._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)



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