ギンブナ

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生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真


ファイル:ginbuna21_R.JPG
(写真提供:いであ㈱)

分布・形態

分布

  • 北海道、本州、四国、九州、琉球列島の全域に分布する。国外では朝鮮半島と中国大陸にも広く分布する。


形態

  • 全長約250㎜。体色はオリーブ色を基調とし、背側は褐色、腹側は銀白色を帯びる。臀鰭起点付近より後方で、体高が急にすぼまるように小さくなる。
  • 背鰭基底の長さは長い。背鰭、臀鰭の前縁に強い棘を持つ。


類似

  • ギンブナはキンタロウブナに比べて背鰭の基底長が長生活史く、背鰭の条数は1棘15~18軟条、鰐耗数は41~57で、ともにキンタロウブナよりも多い。また、ゲンゴロウブナはギンブナに比べると眼が大きく、臀鰭後方が切れ上がり、鰯杷数は92~128と著しく多い。
  • 日本産フナ属には、キンブナ類4亜種(オオキンブナ、ナガブナ、キンタロウブナ、ニゴロブナ)、ギンブナおよびゲンゴロウブナの6類があるが、分類は難しいので、詳しくは専門書を参照されたい(フナ類の分類には、研究者によっていくつかの見解がある)。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:ginbuna_lifeC.gif

生息場所

  • 河川中流域から下流域、汽水域、湖沼などに広く生息する。河川では中流域の下流域の全域に生息し、また田の水路や水田にも生息する。
  • 底を好み、冬も他の季節とあまり変わりなく活動する。
  • 琵琶湖では内湖に年間を通じて生息するが、他魚の産卵期にはヨシの周辺から姿を消す。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:4~6月頃。琵琶湖では3月下旬~6月上旬。
  • 産卵場所:河川の細流、田の溝などの水草の繁茂する浅いところ。琵琶湖では内湖の表層。
  • 産卵回数:卵期中に3回程度。
  • 処女生殖:他の魚類の精子の刺激で卵が発生を開始する。
  • 卵:直径約1.4㎜の球形で粘着卵である。
  • 追星:雄は鰓ぶたと胸鰭に白色の追星を生じる。
  • 婚姻色:現れない。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  • コイと一緒に飼うと、コイが中層にフナが底層に分かれる。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 河川改修等に際しては、生息場となる流れの緩いやそれに準じた淀みなどの緩流域を残すことが望まれる。
  • 流れの緩いところを好むため、河川に流入する水路などにも入り込んでおり、河川とこれらの水路との連続性を分断しないように努めることが大切である。
  • 産卵には、やその周辺に繁茂するヨシやフサモなどの植物が必要なので、河岸整備では空隙のないコンクリート護岸等は望ましくなく、植生が回復するような方策を検討する必要がある。
  • 産卵期の工事による濁水の流入は、粘着卵の酸欠を起こす場合があるので、濁り防止に対する注意が必要である。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • 染色体:他のフナ類が2n=100であるのに、ギンブナの一部では3n=156で約1.5倍となっている。つまり3倍体が多いことになるまた、わずかながら4n=206の4倍体のギンブナも存在する。
  • 性比:他のフナ類の性比が1対1であるのに、ギンブナでは雄が少なく、特に関東地方では雄がまったくいない。
  • 雌性発生:倍数性個体の雌は、雄のギンブナがいなくても、他の魚類、たとえばウグイドジョウなどの精子の刺激だけで卵が発生を開始する。そして、雌親の形質を受け継いだクローン雌が次代の倍数性ギンブナとなる。
  • 漁法:琵琶湖ではエリ、モンドリで漁獲される。冬でも活動性があり、釣りができる。
  • 利用:煮付け、甘露煮にされる。洗いにして卵をまぶしたものは子づくりとして珍重される。全国的に釣り(マブナ釣り)の対象として親しまれている。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)



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