カナムグラ

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:植物

目次

写真


分布・形態

分布

  • 北海道から九州、奄美大島、中国にかけて分布する。


形態

  • 人里に生える1年生のつる草で、茎や葉柄には下向きに刺毛があり、他物にからみつく。生長は早い。
  • 葉:葉は掌状に深く5~7裂し、長さ5~12cm、基部は心形で縁に低い鋸歯がある。裂片は基部の方へ狭まり、先は尖る。葉の表面には粗い毛があってざらつき、葉の裏面には黄色の小腺点が散在する。
  • 花:花期は9~10月。雌雄異株で、雄花は大きな円錐形の花序にまばらにつく。雌花は苞に包まれ、10個ほどが穂になり垂れ下がって、小球花状を呈する。
  • 雄花を包む苞片は卵型で尖り、背面には縦脈と粗い毛があって、初めは緑色草質で濃紫斑があるが、果時には円卵形となり、全体が紫褐色に染まって先が反り返る。


類似

  • ヤブガラシは畑や藪に普通に生えるつる性の多年草で、地下茎を伸ばして旺盛に繁茂する。葉は5小葉からなる鳥足状複葉で特徴があること、茎の稜角があること、花の形状が異なること、球形の液果をつけることなどでカナムグラと区別できる。
  • アマチャヅルの葉はヤブガラシと同様に5小葉からなる鳥足状複葉で、ヤブガラシによく似るが、日陰に生えること、花の形状が異なることなどで、上記の両と区別できる。

  (2010.12.12._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:51_kanamugura_1.JPG

生育場所

  • 湿地の開けたところや道端など、陽当たりのよい場所に他の植物を覆いつくすように生育する。カナムグラに覆われると、他の植物は繁茂が困難になる。

生育地の特徴

  • 平地の陽当たりのよい、開けた荒れ地に生育する。
  • ヨシ原冠水頻度が減少し、地下水位が低下すると、ヨシ群落内にカナムグラが侵入し、ヨシを圧倒する現象が淀川などで観察されている。
  • カナムグラの優占する群落アキノノゲシ-カナムグラ群集にまとめられる。



繁殖

  • 繁殖は子で行なう。幼苗は3~4月頃、他の草があまりない、柔らかい土地に伸び始める。
  • 雌花には、花後、長さ4~5mmの上部に細毛がある痩果が形成され、中に子ができる。
  • 風媒花であるが、子が大きいため、あまり遠くへ飛ばず、毎年同様の場所に繁茂する。

  (2010.12.12._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  • 草地を覆って繁茂し、他の植物の生長を阻害する。
  • キタテハ、クジャクチョウ、カラムシカザリバなどの食草となる。

  (2010.12.12._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 冠水頻度の低下したヨシ原では、カナムグラはヨシの生育を脅かす害敵植物となっている。ヨシを保護するためには、適度な冠水地下水位の保持が必要である。
  • 陸域ではススキの生育を脅かすことがあるため、適度な刈り取りが必要になる。

  (2010.12.12._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

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