オギ

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:植物

目次

写真


分布・形態

分布

  • わが国では北海道、本州、四国、九州の各地に分布し、国外では朝鮮半島、中国北部から北東部、ウスリーなどに分布する。

形態

  • ススキによく似た大型の多年草で、茎は堅くて太く、竹のような節があり、高さ1~2.5mになる。
  • 茎:根茎は長く地中を這い、1本ずつ茎を立てて大きな群落をつくる。
  • 葉:葉は線形で長さ40~80㎝、幅1~3㎝で、すべての茎から出る。また、花穂が出る頃には下部の葉鞘とともに脱落し、節間の短い茎が露出する。
  • 花:小穂は芒(トゲのような突起)がなく、つけ根から伸びる毛は銀白色で長さは小穂の2~4倍ある。

類似

  • ススキは、茎が根元から分岐して大きな株を作る(株立ちという)。花序(花のつくところ)の長さはオギが25~40㎝、ススキは20~30㎝である。小穂には芒があり、つけ根から伸びる毛は鼠色かやや紫色を帯びている。また、一般にオギは*湿地に生育し、ススキは乾いた場所に生育する。
  • トキワススキは、関東地方南部以西の、海岸に近い場所や下流堤防などに生育し、琉球、台湾、太平洋諸島にも分布する。ススキよりも大型で、大株を作り、しばしば群生する。花期は夏季、花序は30~50㎝で、中軸が長い。オギやススキは冬季に葉が枯れるが、トキワススキは葉が枯れないので、この名がついた。


生活史

生活サイクル
ファイル:111_ogi.JPG
生育場所

  • 堆積した河原や、水辺湿地などに生える。河原のやや高いところに生えるので、畑やグラウンドにされて消失しているところが多い。
  • 河川中流から下流域にかけての河原の、地下水位10~30㎝のところに多く生育する。土壌は粗のところに適す。
  • オギの優占する草原はオギ群集としてまとめられている。さらに自然性の高い氾濫原にはオギ草原特有の植物で構成されるハナムグラ-オギ群集が生育する。


繁殖

  • 花期は7~9月で、25~40㎝の銀白色の総が多数集まって花穂を作る。総は小穂の集合体で、1個の小穂には2個の異形の小花がつく。
  • 小穂の長さは5~6㎜で褐色を帯び、つけ根から柔らかい銀白色の長い毛が多数出る。小穂は熟すと長毛とともに落下し、穂のつけ根の小枝だけが軸に残る。
  • 茎の節の部分には芽があり、洪水植物体が土砂に埋まったときは節から発芽して生育する。
  • 小穂や節芽のほか、根茎が伸びて茎を出す繁殖法もある。

  (2011.1.24._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  • ヨシ原やススキの原と同様に、オオヨシキリ、コヨシキリなどの鳥類カヤネズミ営巣の場として利用される。また、冬枯れのオギ原は河原に集まる多くの鳥類のねぐらとして利用される。
  • 昆虫の中には茎に卵を産みつけるものがある。冬季に河原に集まる鳥類は、嘴で枯れ茎を割って中の虫を採餌したりする。
  • ニカメイガモドキ、スジツトガなどの食草となる。

  (2011.1.24._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • オギの繁茂する場所は河原の安定帯で、人間にとって最も利用しやすい場所であるため、畑やグラウンドに変えられてしまうことが多い。オギの群落を残すためには高水敷の利用について、事前に十分検討する必要があろう。
  • オギの生育場所に中途半端に手を加えて放置すると、セイタカアワダチソウが侵入し、オギを駆逐することがある。帰化植物の侵入から守るためにも、工事は慎重に行なわれるべきである。
  • 火入れをするときは場所を区切って少しずつ行ない、生息する生物を保護するようにする。

  (2011.1.24._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

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