オオクチバス

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真


分布・形態

分布

  • 原産地は北アメリカで、カナダのケベック州南部とオンタリオ州を北限とし、ミシシッピー渓谷を西限とする北アメリカ東南部に分布する。日本には1925年に、アメリカのオレゴン州から神奈川県の芦ノ湖に移入された。魚食性のため、芦ノ湖からの持ち出しが禁止されていたが、放流が繰り返され、今では日本各地に分布する。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


形態

  • 全長約300~500mm。腹鰭が胸鰭の真下につき、鰓ぶたに棘がなく、尾鰭後縁がわずかに切れ込むのがサンフィッシュ科の特徴である。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


類似

  • サンフィッシュ科にはオオクチバス以外にブルーギル、コクチバスがいる。
  • ブルーギルは鰓ぶた上後端に黒色の突起がある。コクチバスは口の後端が眼の中央下(オオクチバスでは眼の後縁後方下)にある。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:ookuchibus_lifeCycle.gif

生育場所

  • 本来は止水域を好むため、湖沼を主なすみかとするが、河川下流域の淀みやでできた止水域などにもすむ。
  • 夏季の水温が18℃以上になる水域に生息する。
  • 成魚は湖の沿岸部(ほぼ7m以浅)や池沼、下流域の淀みなどに生息し、水草のあるところを好む。春から秋にかけては活発に動き、水温10℃位になる晩秋には深みへ移動し、厳冬期には障害物、沈木の間で越冬する。
  • 仔魚は孵化後約1週間で巣を離れ、雄の保護のもとで水草地帯を群泳するが、体長約20~30mmになると群れを離れ、深みに移って単独生活に入る。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:日本では5~7月で、最盛期は6月。
  • 産卵場所:湖沼の沿岸の水深0.3~1.5m位の場所で、底質は砂礫のところ。生息地が底の場合は岩、倒木、水草などのあるところ。
  • 産卵床:雄が作る直径50cm、深さ15cm前後のすり鉢状の穴。底の場合はこれに水草の破片を敷く。別の雄の巣との間は6m以上離れる。
  • 卵:球形で直径1.5~1.7mmの沈性粘着卵。
  • 産卵数:1回の産卵数は数百粒。
  • 孵化日数:水温16~22℃では7~10日で孵化する。
  • 婚姻色:生殖期の雄は体全体が黒みを帯びる。
  • 産卵行動:雄は水底を掃除して、産卵床を作り、成熟した雌を産卵床に導いて産卵させる。雌は数回、別の雄、または同じ雄の産卵床に産卵する。雄も複数の雌に産卵させ、卵の総数は数百~1万粒になる。
  • 保護行動:卵が孵化するまでの期間、および孵化後約26日間、全長約30mmに成長するまで雄が保護する。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  • 縄張り行動:成魚は単独で生活し、産卵期には特に強い縄張り行動を示す。水中のダイバーにも体当たりするほどである。
  • 魚類への影響(琵琶湖):芦ノ湖からの移殖が禁止されていたにもかかわらず、1965年頃からの釣りブームに乗って全国各地に放流され、琵琶湖では1974年に初めて発見された。日本の淡水魚の起源地である琵琶湖において分布を広げ、たちまち在来の魚類を駆逐してしまった。
  • 1985年には沿岸の水草帯に生息するタナゴ類、モツゴ類がほとんど姿を消し、ニゴロブナ、ホンモロコなどの漁業上の重要も激減した。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 外来の魚食性魚類を放流しないことが重要である。特に狭い止水域では在来の魚への影響が大きい。内水面漁業調整規則で放流を禁止する自治体も増えてきている。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • 利用:肉は白身で美味である。老化防止のアミノ酸であるタウリンが淡水魚としては多量に含まれている。芦ノ湖では高級魚として扱われている。バター焼き、塩焼きなどで食べる。卵と肝を和風に煮付けてもよい。
  • 釣り:ルアー釣りで、引きが強く、人気がある。

  (2010.1.25._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

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