オイカワ

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真

ファイル:oikawa17_R.JPG
(写真提供:いであ㈱)

分布・形態

分布

  • 北陸・関東地方以西の本州、四国の戸内側、九州の河川中・下流域、および湖沼に広く分布する。
  • 近年、コアユの放流にともなって、東北地方や四国の太平洋側にも移殖されている。国外では朝鮮半島、台湾、中国南東部に分布する。


形態

  • 全長約150㎜。側線は下方へ湾曲し、体側には赤みを帯びた横斑が7~10個ある。成魚は臀鰭が大きく、特に成熟した雄で著しい。
  • 産卵期の雄には鮮やかな婚姻色が現れへ頭部、臀部などに追星を生じる。


類似

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:oikawa_lifeC.gif

生息場所

  • 成魚は浅く、開けた場所に多く、Bb型より下流平瀬からにかけて多い。行動範囲は広く、30分程度でも、摂餌しながら20㎡位泳ぎ回る。(荒い早瀬を除く)を最も好む傾向にある。
  • 前期仔魚は産卵床内で過ごす。後期仔魚は浅く開けた(水深10m以浅)、流れの遅い(1㎝/sec以下)、の内側や平瀬に生息する。
  • 稚魚は、Bb-Bc移行型のところに流下し、下流の形態をもつやや広い場所に移動する。未成魚期には再び遡上する。
  • アユが遡上する時期になると、開けた川の中央をアユに奪われ、河岸に移動する。関西地方ではカワムツがいるので、カワムツを追い出して、河岸にすむ。
  • 夜は水深10㎝程度の岸に群がって休む。冬はに入る。
  • 湖沼では稚魚は水深1m以浅の、開けた浅いところにすむ。船着き場や小さい港といった人為的な改変の加わったところにも生息できる。成魚は岩場、底、場、藻場などあらゆる沿岸帯に生息する。冬季はやや沖の深いところや水生植物のある場所へ入る。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

繁殖

  • 産卵期:5月下旬(水温18~20℃)~8月下旬まで。
  • 産卵場所:水深5~10㎝程度の流れの緩い平瀬
  • 産卵床:砂礫内。産卵床は直径30~50㎝程度。
  • 卵:球形で直径は約1.臨卵黄は鮮黄色。孵化日数:水温29℃で2日、20℃で4日で孵化する。
  • 産卵行動:約30秒間に、①雌の上方に雄が重なり、胸鰭、腹鰭を広げて雌を覆う、②産卵床に雄・雌が並んで、肛門の部分を揃える、③雄は体を曲げて、雌にすり寄って、体を震わせる、④著しく鰭を広げ、特に臀鰭で雌を抱くようにして、体を激しく振動させる、⑤体を横たえて、雌の上に横臥して、雌を産卵床に押しつけ、臀鰭と尾鰭でを掘り散らす。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

食性

  • 後期仔魚は流下物を食べる。稚魚は動き回りながら底生藻類水生昆虫を摂餌する。成魚の食性はきわめて広く、川では付着藻類を中心に流下・落下昆虫、底生昆虫を食べ、湖ではユスリカから半底生浮游動物・浮游動物、さらに付着藻類まで食べる雑食性。
  • 1日の摂食量は、藻類を食う場合、体重の10~20%(湿重量)程度で、冬には2~3%まで減少する。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

他の生物との関係

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

配慮のポイント

  • 河川改修により、流路を直線化し、川幅を広げ、水深を浅くすると、本の場合、このような平瀬的な環境(流れの緩い場所がだらだら続くような環境)は生息に適している(島谷・1992)。改修後に本が増えたという事例もある。また、川の形態がカワムツに適しているところ(の多い河川)では、コアユを放流しているにもかかわらずオイカワは増加していない。すなわち、単一な環境は単一な生物相を現出し、多様な生物相を破壊する結果となっている。
  • このような河川においては、多自然型河川工法などによる多様な空間づくりにより、オイカワのみでなく、他も共存できる川づくりが必要とされる。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

トピックス

  • オイカワという標準和名は生殖期の雄に限った、琵琶湖付近の呼び名である。関西ではオイカワをハスハスをケタバスとよんで区別している。
  • 白焼きにして熱いのを二杯酢か三杯酢につけて食べる。冬のものは寒ハエとして珍重される。木曾三川では、ショウガを合わせて甘辛く煮て、「いかだばえ」と称する。夏期の雄は骨ばかりでまずい。

  (2010.2.15._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)




表示
個人用ツール
河川用語解説
河川事業事例アーカイブ・
  調査データ
検索機能について