アブラハヤ

提供: 河川生態ナレッジデータベース

生物用語集Category:生物用語集:魚類

目次

写真

分布・形態

分布

  • 日本海側では青森県から福井県にかけて、太平洋・戸内海側では一部を除いて青森県から岡山県まで分布する。また、国外では朝鮮半島の日本海側河川から沿海州にかけてと、中国東北部にかけて分布する。

形態

  • 全長約130㎜。臀鰭の起点は背鰭後端の直下。鱗が小さくて明瞭な斑紋がなく、体表はぬるぬるしている。体側中央に暗色の縦条がある。

類似

  • ウグイ属とはアブラハヤに似るが、臀鰭の起点が背鰭の後端より後方にあること、臀鰭の形が丸みを帯びないことで、アブラハヤと区別できる。
  • アブラハヤとタカハヤは互いによく似ているが、アブラハヤでは体側中央の暗色の縦条が明瞭な個体が多いこと、タカハヤに比べると尾柄高が低く、頭部の幅もやや狭くてスマートなこと、鱗が細かいことなどで区別できる。

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)

生活史

生活サイクル
ファイル:338_aburahaya.JPG

生息場所

  • 河川上流域から中流域、山あいの湖沼などに生息する。
  • 成魚は岩や柳の下などに隠れ場を持ち、そこからの中層に出て、群で摂餌する。
  • 産卵床から浮上した仔魚尻の淀みの岸近くに集まって表層に群れているが、稚魚期の後半頃からやや流れの速いところに出るようになる。
  • 本州中部地方でタカハヤと共存する場合には、タカハヤがより上流側に、アブラハヤがより下流側にすみ分ける場合が多い。単一で生息する場合には、アブラハヤも源流付近まで生息する。また、共存する場合の混生域では、同じでもタカハヤ頭近くの河岸寄りに、アブラハヤが尻から平瀬にかけての河岸近くに生息する。
  • 昼間はの中層で、夕方は表層に浮いて、流下物を食べる。冬季は岸辺の草の間、川底、穴などに静止している。

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


繁殖

  • 産卵期:3~8月で、昼間の水温が12~14℃で開始される。
  • 産卵場所:とろの周囲の、水深10~15㎝の砂礫底の窪んだ場所。
  • 産卵床:砂礫内。
  • 卵:球形で、直径は約1.4~1.7㎜の粘着卵。淡黄色ないし淡褐色。
  • 孵化日数:水温14~17℃で、5~7日で孵化する。
  • 産卵行動:雌1尾に対して、雄多数の集団が追尾し、雌がの間隙に吻から突入して体を振り、その周囲に雄が同様に吻を突っ込む。雌の体が砂礫内に完全に没入する場合もある。一般に昼間産卵する。
  • 二次性徴:雄の胸鰭、腹鰭は雌に比べて長い。完熟した雌は吻端が突出する。
  • 追星:雄は頭部全体と、胸鰭、腹鰭に細かい追星を生じ、雌では吻端と眼の回りにわずかに生じる。
  • 姻色:不明瞭である。

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


食性

  • 食物欲求はかなり幅広く、落下昆虫、底生昆虫、付着藻類のうちどれかを専食するか、または、これらを混ぜて食べる。
  • かなり貧食で、餌のついていない、動く釣り針に食いつくことがある。性巣が完熟状態の個体は、雄・雌ともにほとんど餌をとらない。

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


他の生物との関係

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典))


配慮のポイント

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)


トピックス

  • 名前の由来:体表に粘液が分泌し、ぬるぬるしているのでアブラハヤの名がある。
  • 漁法:のたまったような川のに多く、水中に生えている草を足で探り、手網ですくいとる。小川で釣る場合は木や草などの障害物が多いので、できるだけみち糸を短くし、餌はミミズ、水生昆虫がよい。
  • 利用:特に美味しくないが、唐揚げ、天ぷらにして食べる。
  • ヤマナカハヤ:山中湖に生息するアブラハヤは別亜種のヤマナカハヤと区別される場合がある。

  (2011.1.11._川口(RFC)_リバーフロント整備センター編(1996)川の生物図典)




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